和歌山の山へ移ってから、山から引いている水を生活に使っています。
見た目や臭いに気になる点はなく、夏でも水栓が曇るほど冷たい水です。コーヒーや炊いたお米も、東京で水道水を使っていた頃よりおいしく感じていました。
ただ、新しい土地で使う水は、味や見た目だけでは判断できません。周囲に民家は見当たりませんが、山の上流や取水経路をすべて確認できるわけではないため、一度きちんと水質検査を受けることにしました。
今回は、基本の飲料水11項目に追加検査も付け、費用は合計30,910円です。
この記事では、採水から発送までの流れ、実際の検査結果、検査後の山水の使い方、3万円以上かけて調べた率直な感想をまとめます。
山水の水質検査を受けた理由

この家では、山から流れてくる水を貯水槽にため、ポンプで台所やお風呂まで送っています。
水は見た目もきれいで、変な臭いや濁りもありません。実際に使っていて、検査前に気になる点があったわけでもありませんでした。
周辺に民家は見当たりませんが、水が流れてくる場所や、そのさらに上流まで全部確認できているわけではありません。見えない場所の環境までは分からないため、きれいに見えるから大丈夫とは言い切れませんでした。
新しい土地で暮らすうえで、水はかなり重要です。検査費用は安くありませんが、ここはケチるところではないと思い、一度きちんと調べておくことにしました。
この土地へ移ってきた経緯については、こちらの記事で紹介しています。

山水の水質検査25項目と費用
検査費用は合計30,910円
今回申し込んだのは、基本となる飲料水11項目検査に、硬度等5項目と有害微量元素9項目を追加した検査です。
検査したのは合計25項目で、費用は税込30,910円でした。
- 飲料水11項目検査
- 硬度等5項目
- 有害微量元素9項目
- 合計30,910円
基本の検査だけにすることもできましたが、今回は初めて使う土地の山水です。
周辺に民家は見当たらないものの、山の上流や見えない場所の環境までは分かりません。硬度などの水の特徴だけでなく、鉛やヒ素などの有害微量元素も一度確認しておきたいと考え、追加項目を付けました。
3万円を超えるため、気軽に試せる金額ではありません。それでも、これから毎日の生活に使う水なので、ここは検査費用を抑えるところではないと判断しました。
山水を採水して発送する方法

申し込み後、検査機関から採水用のペットボトル2本、滅菌瓶1本、依頼書、返送用の袋、着払い伝票が届きました。
今回は、山水を貯水槽にため、ポンプで送っている台所の蛇口から採水しています。
採水方法は、同封されていた案内に沿って進めました。
- 台所の蛇口から水を約5分間流す
- ペットボトル2本は、採水する水で容器内を共洗いする
- ペットボトルは、できるだけ満水になるまで水を入れる
- 滅菌瓶は共洗いせず、容器の8分目程度まで水を入れる
- 採水後は冷暗所で保管する
- 依頼書と一緒に梱包し、できるだけ早くクール便で発送する
ペットボトルと滅菌瓶では扱い方が違います。特に滅菌瓶は、中を洗ったり採水する水ですすいだりせず、そのまま使用します。
採水した水は時間がたつほど状態が変わる可能性があるため、案内では早めの発送が推奨されていました。金曜日の午後から日曜日の発送は避けるように記載されています。
採水自体は難しい作業ではありませんが、一般細菌や大腸菌を調べる検査なので、容器の内側やふたの内側に手が触れないよう注意しました。
検査結果は、検査機関で受け付けられてから2〜3週間ほどで郵送されます。
山水の水質検査結果を公開
大腸菌・一般細菌・色度が基準外

届いた水質検査結果では、25項目のうち「大腸菌」「一般細菌」「色度」の3項目に印が付き、水質基準等に適合しないという判定でした。
- 大腸菌:検出される(基準:検出されないこと)
- 一般細菌:110個/mL(基準:100個/mL以下)
- 色度:7.5度(基準:5度以下)
一般細菌は、基準の100個/mL以下に対して110個/mLでした。大幅に超えたわけではありませんが、結果としては基準外です。
色度は、水についている色の程度を表す数値です。採水前から見た目の濁りや色が気になっていたわけではありませんが、検査では基準の5度以下を超える7.5度となりました。
そして、最も気になったのが大腸菌です。見た目や臭い、味には何も異常を感じていなかった水から、大腸菌が検出されました。
山の周囲に民家は見当たりませんが、取水場所より上流の環境をすべて確認できているわけではありません。動物のふんや雨水など、自然環境から混入する可能性も考えられますが、今回の検査だけで混入経路までは特定できませんでした。
この結果からも、山水は透明で冷たく、おいしく感じるからといって、見た目や味だけで安全性を判断できないことが分かりました。
硬度と有害微量元素の検査結果
追加検査では、水の硬度やミネラル成分のほか、鉛やヒ素などの有害微量元素も調べました。
硬度は51mg/Lでした。一般的な区分では軟水にあたり、コーヒーや炊いたお米がおいしく感じたことにも、水の硬度が関係している可能性があります。
- 硬度:51mg/L
- カルシウム:6.3mg/L
- マグネシウム:8.5mg/L
- ナトリウム:2.3mg/L
- カリウム:0.2mg/L
有害微量元素については、今回調べた項目はいずれも検査結果票に記載された基準内でした。
- カドミウム
- セレン
- 鉛
- ヒ素
- フッ素
- ホウ素
- 鉄
- 銅
- マンガン
鉄は0.21mg/L、マンガンは0.005mg/L未満でした。鉛やヒ素、カドミウムなども基準を超えていません。
大腸菌などの問題は見つかりましたが、周辺環境への不安から追加した有害微量元素については、基準内という結果でした。
山水の味と夏でも冷たい水温
東京に住んでいた頃も、水道水で挽きたてのコーヒーを毎日淹れていました。
山へ移ってから同じようにコーヒーを淹れてみると、山水の方がまろやかで、おいしく感じました。お米を炊いたときも同じで、以前よりおいしく感じています。
もちろん、味の感じ方には個人差があります。ただ、東京の水道水を長く使ってきた自分たちには、はっきり違いを感じました。
もう一つ印象的なのが、水の冷たさです。
東京にいた頃、山奥へ出かけて、周囲に民家もない水源地のような場所で水に触れたことがあります。その水は足を長くつけていられないほど冷たく、今でもよく覚えています。
この家の山水にも、そのときと似た印象があります。夏でもかなり冷たく、水を出していると水栓の表面が曇るほどです。
見た目や臭いに違和感はなく、味もよく、夏でも冷たい。使っている感覚だけなら、とても良い水だと感じていました。
ただし、冷たくておいしいことと、飲み水として安全であることは別です。今回の水質検査では、そのことをあらためて実感しました。
大腸菌検出後も煮沸して使っている
水質検査で大腸菌が検出されましたが、山水の使い方は検査前と大きく変えていません。
もともと生水のまま飲んでいたわけではなく、コーヒーや炊飯、料理、飲み水など、口に入る用途では必ず加熱して使っていました。
検査結果が届いたあとも、山水は十分に沸騰させてから、飲食用途全般に使っています。
大腸菌が出たと聞くと、すぐに使用をやめた方がいいようにも感じます。ただ、今回基準外だった一般細菌は110個/mLと基準を少し超えた数値で、有害微量元素については基準内でした。
水の見た目や臭いにも変化はなく、検査前から煮沸して使っていたこともあり、現時点ではこれまでと同じ使い方を続けています。
ただし、煮沸すれば山水のすべての問題が解決する、という意味ではありません。今回の判断は、検査結果とこれまでの使い方を踏まえた、わが家での対応です。
山水は季節や雨量、周辺環境によって状態が変わる可能性があります。今後、色や臭い、濁りなどに変化があれば、使い方の見直しや再検査も必要だと考えています。

山水の水質検査に3万円かけた感想

今回の水質検査には、合計30,910円かかりました。
安い金額ではありませんが、新しい土地で暮らしていくうえで、水は毎日の生活に欠かせません。飲み水だけでなく、コーヒーや炊飯、料理、お風呂などにも使うため、ここは費用を惜しむところではないと感じています。
大腸菌が検出されたのは残念でしたが、硬度やミネラル成分、有害微量元素まで確認できたことで、分からないまま使い続ける不安は減りました。
ただ、届いた検査結果は本当に事務的な内容で、数値と基準値が並んだ紙が1枚入っているだけでした。
検査機関なので、詳しい説明や生活上の助言まで付かないのは仕方ないと思います。それでも、3万円以上かかったことを考えると、もう少し結果の見方や、基準外だった項目について簡単な説明があってもよかったかなと感じました。
検査そのものを受けたことは後悔していません。ただ、結果の伝え方については、金額に対して少し物足りなさが残りました。
山水は見た目や味だけで判断できない

今回の水質検査で一番強く感じたのは、山水は見た目や味だけでは判断できないということです。
検査前から、濁りや変な臭いはありませんでした。夏でもかなり冷たく、コーヒーや炊いたお米もおいしく感じていたため、使っている感覚ではとても良い水でした。
それでも、実際に調べてみると、大腸菌が検出され、一般細菌と色度も基準外という結果でした。
一方で、硬度は51mg/Lの軟水で、有害微量元素は基準内でした。すべてが悪い水だったわけではなく、良い部分と注意が必要な部分が混在していたことも分かりました。
山の水は、季節や雨量、動物、上流の環境などによって状態が変わる可能性があります。透明で冷たく、おいしく感じても、それだけで安全とは言い切れません。
3万円以上かかった検査でしたが、新しい土地でこれから使い続ける水の状態を一度確認できたことには意味がありました。
現在も、口に入る用途では必ず煮沸して使っています。今後も水の色や臭い、濁りに変化があれば、再検査や使い方の見直しを考えるつもりです。

