炭の作り方|ドラム缶で実践!木炭ができる仕組みとDIY炭作りのコツ

炭の作り方|ドラム缶で実践!木炭ができる仕組みとDIY炭作りのコツ 暮らし・DIY

炭って、自分で作れるものなんだろうか?そんな興味から始めた炭作り。庭に捨ててあったドラム缶を利用して、手作りの炭窯を作ってみました。

最初は火が消えたり、木が灰になってしまったりと失敗の連続。それでも5〜6回ほど試すうちに少しずつコツが分かり、今では日常で使える炭が作れるようになりました。炭作りを始めて約半年、一度も木炭を購入していません。

炭作りで大切なのは、窯の大きさや形よりも、火と空気の仕組みを理解すること。今回はドラム缶での実体験をもとに、木が炭になる仕組みや実際の作業、失敗から学んだコツを紹介します。ドラム缶がなくても、炭作りの基本を理解できる内容です。

木が炭になる仕組みは意外とシンプル

木を普通に燃やし続けると、やがて灰になってしまいます。それなのに、炭焼きでは木の形を残したまま、真っ黒な木炭が出来上がります。

この違いを生むのが、空気の量と熱の加え方です。

木は熱を加えると、水分が抜け、さらに温度が上がることで内部の成分が分解されていきます。この変化を「炭化」と呼びます。

普通の焚き火では空気が十分に供給されるため、木だけでなく、出来上がりかけた炭も燃えてしまいます。一方、炭作りでは木を十分に加熱しながら、燃え尽きないように空気の供給を調整します。

つまり、木をしっかり加熱して炭化させ、最後は空気を遮って燃焼を止める。これが炭作りの基本です。

ただし、最初から完全に密閉してしまえばよいわけではありません。今回のように窯の中で火を起こす方法では、炭化に必要な熱を作るための空気も必要になります。この加減が、実際にやってみると意外と難しいところです。

炭作りに必要な構造と3つのポイント

今回の炭窯は、庭にあった古いドラム缶を加工したものです。特別な設備ではありませんが、炭を作るために必要な基本構造を備えています。

その構造を大きく分けると、空気の入口、煙の出口、木を加熱する容器の3つです。

ドラム缶炭窯の構造と役割

空気の入口は、火を維持するために必要です。今回の炭窯では、ドラム缶の下部から直径約25mmの鉄パイプを2本差し込んでいます。パイプには直径約6mmの穴を複数開け、内部に空気が供給されるようにしました。

パイプの先端にも切り込みを入れています。これは木や灰などで出口が塞がるのを少しでも防ぎたいと考えた工夫です。

煙の出口には、使い終わったパーツクリーナーの空き缶を利用しました。底を抜いて筒状にし、長さ約23cmの煙突として使用しています。固定には建築の友の水まわり用エポパテ EP-04を使いました。これはヒノキ風呂の補修で余っていたので使ってみただけです。現状問題ありません。

建築の友 エポパテシリーズ 水まわり用 EP-04

建築の友 エポパテシリーズ 水まわり用 EP-04

今回、煙突の固定に使用した水まわり用のエポキシパテです。

煙突には、煙やガスを外へ逃がすだけでなく、窯の中に空気の流れを作る役割もあります。熱い煙が上へ抜けることで、下の吸気口から新しい空気が入りやすくなります。

木を加熱する容器にはドラム缶を使用しました。上から薪を入れ、蓋を被せる構造です。蓋をしっかりはめ込めるよう、本体上部に切り込みを入れて少し内側へ曲げ、最後は蓋の縁をハンマーで叩いて押し込んでいます。

この炭窯は、下から空気を取り入れて火を維持し、煙突から煙を逃がしながら木を炭化させる仕組みです。そして炭化が進んだら、吸気口と煙突を塞いで空気を遮断します。熱い炭に酸素が入り続けると、せっかくできた炭まで燃えてしまうためです。

炭窯は必ずしもドラム缶である必要はありません。空き缶などを外側から加熱する方法もあり、構造によって火の使い方は異なりますが、木を加熱して炭化させ、最後は空気を遮って冷ますという基本は共通しています。

ドラム缶で実践した炭作りの流れ

ここからは、実際に栗の木を使って炭を作ったときの様子です。以前には杉や藤の木でも試しましたが、今回使用したのは栗の木。十分に乾燥した薪ではなく、まだ水分が残っている状態でした。

なお、この工程は今回の炭窯で行った実践記録です。容器の構造や木の状態によって、必要な時間や火の回り方は変わります。

薪を束ねて炭窯に入れる準備

薪の長さは30〜40cm程度にそろえています。今回の方法では途中で薪をひっくり返すため、あまり長すぎない方が扱いやすく、このくらいの長さだとうまく火が回ると感じています。

そして、薪をまとめるために利用したのが、13インチの軽自動車用の廃タイヤです。

薪の束ね方

タイヤの穴にカットした木を立てていくと、薪をまとめやすくなります。ただし、最初からぎゅうぎゅうに詰め込むのは禁物。きつく入れすぎると、あとで束をタイヤから抜けなくなってしまいます。

ある程度まとめたところで、番線を使って縛ります。

今回は手元にあった太めの番線を使いましたが、必ずしも同じ太さが必要というわけではありません。薪を保持できる強度があれば十分です。

番線を少しずつ締め、ある程度まとまったらタイヤから引き抜きます。その後、さらにもう1本番線を追加して、しっかり締め直しました。

目安としては、束を落としても簡単には崩れないくらい。途中で上下を入れ替えるので、ここでしっかり固定しておくことが大切です。

ただし、番線が緩んだり、加熱で木が縮んだりすれば束が崩れることもあります。強く締めたから絶対に崩れないというわけではありません。

火床を作ってから薪に火を回す

いきなり束ねた薪を入れるのではなく、まずはドラム缶の底で焚き火をします。

底に差し込んだ鉄パイプの上で細い木を燃やし、ある程度安定した火床を作ってから、束ねた薪を載せました。

07_火床作り

火床が弱い状態で大きな薪を載せると、火が消えたり、なかなか燃え広がらなかったりします。

今回の栗の木は水分を含んでいたこともあり、着火には苦労しました。木に水分が多いと、まず水分を蒸発させるために熱が使われるので、火が安定するまで時間がかかります。

薪の束からある程度火が上がってきたら、今度は上下をひっくり返します。

これがなかなか難しい作業です。番線でまとめていても、途中で崩れることがあります。火のついた薪を扱うため、無理に持ち上げたり、転がしたりするのは危険です。

実際には火床で木を加熱し、さらに上下を入れ替えることで、束全体へ火を回そうとしています。

09_上下に火が回る

※画像の状態だと火を入れ過ぎている気がします

下側からも火が上がるようになったところで蓋を閉め、煙の様子を見ながら炭化を進めました。

煙の変化を見ながら炭化を進める

蓋を閉めると、煙突から白い煙が出てきます。

最初は水分が蒸発して出る水蒸気も含まれていますが、木の温度が上がるにつれて、熱分解で発生するガスやタール分なども煙に含まれるようになります。

時間が経つと、煙の量や色が少しずつ変化します。

今回の炭窯では、木の乾燥状態にもよりますが、おおむね5〜6時間ほどかけて様子を見ています。ただし、毎回きっちり同じ時間になるわけではありません。

そして、白かった煙が薄くなり、透き通ってきたところが一つの目安です。

11_煙が薄くなる

炭焼きでは煙の変化が重要な判断材料になります。ただし、煙が薄くなったからといって、必ず炭化が完了したとは限りません。空気不足で火が弱まり、煙が減っている場合もあります。

実際、以前の失敗ではこの違いをうまく判断できていませんでした。

空気を遮って翌日まで冷ます

今回の方法では、煙が透き通ってきたところで一度蓋を開けています。

とはいっても、完全に開け放つわけではありません。内部でくすぶっている木に強い炎が上がらない程度に開け、パチパチと音が聞こえてきたあたりで蓋を戻しました。

12_蓋を開ける

これは何度か試すうちに取り入れた、うちの炭窯でのやり方です。一度少しだけ蓋を開けて空気を送り、パチパチと音が聞こえてきたところで閉めています。ただし、急に炎が上がる危険もあるため、一般的に推奨される方法ではありません。

再び蓋をすると、煙突から白い煙が上がってきました。そのまま10分ほど様子を見て、下の鉄パイプ2本を抜き、穴を家の裏で採れる粘土で塞ぎます。

煙突には、空き缶の底をくり抜いたときの部材をそのまま蓋として使い、周囲を粘土で密閉しました。これで空気の出入りを遮断し、翌日まで放置します。

ここで大切なのは、炭が十分に冷えるまで蓋を開けないこと。高温の炭に空気が入ると再び燃える危険があります。一晩で必ず冷えるわけではないため、内部まで十分に冷えたことを確認してから取り出します。

翌日、炭が完成していた

十分に冷えてから蓋を開けると、木の形を残した炭が出来上がっていました。

14_完成した炭

以前は炭がボロボロになっていたり、ほとんど灰になってしまったりすることもありました。それと比べると、今回はかなり形を残せています。

割って確認してみても、中心までしっかり黒くなっていました。

今回の栗の木から出来上がった炭は、3kg用の炭箱いっぱいになる量。市販の木炭と同じ品質とはいきませんが、自分で作った炭がこうして残っていると、やはりうれしいものです。

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何度も失敗して分かった炭作りのコツ

これまで5〜6回ほど炭作りを試してきましたが、最初は思ったようにいきませんでした。

特に難しかったのは、火を維持することと、燃やしすぎないこと。どちらも空気の量が大きく関係しています。

空気が足りないと火が消えてしまう

当初、ドラム缶の下に差し込んでいた空気供給用の鉄パイプは1本だけでした。薪に火をつけて蓋を閉めると、しばらくして煙が出なくなることがあり、最初は炭化が進んだのだと思っていました。

ところが、実際には空気不足で火が弱まり、消えていただけだったようです。そこで鉄パイプをもう1本追加したところ、以前より火を維持しやすくなりました。

ただし、空気を入れすぎると今度は木が燃え続け、炭として残る量が減ってしまいます。火を維持するための空気は必要でも、燃やしすぎると炭がなくなる。 この加減が炭作りの難しいところです。

煙が消えたら完成とは限らない

炭作りを始めたころは、煙の変化をどう判断すればよいのか、よく分かっていませんでした。

煙が少なくなったときに、炭化が進んでいるのか、それとも火が弱くなっているだけなのか。外から見ているだけでは、なかなか判断できません。

何度か試していると、白い煙が勢いよく出る状態や、少しずつ煙が薄くなる状態など、変化があることに気づきます。

もちろん、煙の色だけですべてが分かるわけではありません。窯の構造や木の状態でも違いますが、炭焼きでは煙の色や量の変化が重要な手掛かりになります。

専門的な炭焼きでも、煙の変化を見ながら炭化の進み具合を判断します。詳しい製炭技術については、林野庁の炭焼きに関する実践記録も参考になります。

乾燥していない木でも炭にはなる

今回使った栗の木は、十分に乾燥した状態ではありませんでした。そのため着火にはかなり苦労しましたが、最終的には中心までしっかり炭になりました。

水分が残っている木でも炭は作れますが、水分を蒸発させるために余分な熱が必要になり、着火や炭化に時間がかかります。できれば、ある程度乾燥させた木を使う方が扱いやすいと思います。

これまで杉や藤の木でも試しましたが、木の種類だけでなく、太さや水分量、火の回り方によっても仕上がりは変わります。

炭が灰になるのは燃やしすぎ

失敗したときには、窯の中の木がかなり小さくなり、ひどいときにはボロボロで灰ばかり残っていたこともありました。

炭は木を加熱して作りますが、出来上がった炭も燃料なので、空気が入り続ければ燃えてしまいます。せっかく作った炭を灰にしないためにも、炭化が進んだところで吸気口と煙突を塞ぐことが大切です。

ただし、早く塞ぎすぎると中心まで炭化していない木が残ることもあります。このタイミングは今でも難しいところですが、何度も試すうちに、以前より火の状態や煙の変化が分かるようになってきました。

なお、炭焼きには火災や一酸化炭素中毒、やけどなどの危険があります。屋内や換気の悪い場所では行わず、周囲の可燃物や風にも注意が必要です。

廃材を容器として使う場合は、材質や以前の内容物、耐熱性を確認し、加熱中に密閉して圧力が高まらないようにすることも重要です。地域の火災予防や野焼きに関するルールも事前に確認してください。

まとめ|自作の炭でも日常で十分使える

庭に捨ててあったドラム缶から始まった炭作り。最初は失敗ばかりでしたが、少しずつ改良を重ね、今では日常で使える炭を作れるようになりました。炭作りを始めて約半年、一度も木炭を購入していません。

今回使ったのはドラム缶ですが、炭作りに必ず必要なわけではありません。木を加熱して炭化させ、最後に空気を遮って冷ますという基本は、ほかの方法でも同じです。ただし、容器の大きさや構造によって火の使い方は変わるため、それぞれに合った方法を考える必要があります。

実際にやってみると、思った以上に奥が深い炭作り。火の回り方や煙の変化など、何度も試すうちに少しずつコツが分かってきました。まだまだ改良できそうですが、こうした試行錯誤もDIYの面白いところだと感じています。